前回↓の続き。
おさらい:ここまでの道行
品川 - (東海道新幹線) - 京都駅 - (JR宮津線直通京都丹後鉄道) - 天橋立駅 - (徒歩) - 天橋立桟橋 - (天橋立観光船) - 一の宮桟橋 - 【元伊勢籠神社と笠松公園に寄り道】 - 天橋立ケーブル下 - (丹海バス) - 伊根
寄り道してたので14時くらいに到着。
そう、まだ1日目の話が続くのである。前回はタイトル詐欺である。
「伊根」のバス停はちょうど伊根町の真ん中くらい。降りてすぐのところに観光案内所がある。
到着したらとりあえず観光案内所で情報収集をして、荷物を預けて、散策しながら良さげなお店でご飯を食べて、バスで宿に向かおう~~~と思っていたが腹ペコすぎて暑すぎて何も考えられなくなっていたのでそのまま観光案内所併設の食堂に向かう。
自分で言うのもなんだが私がこんな適当に飯屋に入ることは相当珍しい。なにもかもが限界すぎる。
腹が減りすぎてシズル感もなにもあったものではない写真しかなかった。これ写真だと全然伝わらないけど、大きなカマスが丸々一匹出されてて食べても食べても減らなかった。
そんなこんなでようやく若干体力が回復したので、改めて観光案内所で情報収集。
最中お話してくれたスタッフさんからカジュアルに販売品のポストカードをもらうイベントが発生する。(いいの?) こういうご時世なので人との接触は可能な限り減らしておりますが、旅先での交流は嬉しいですね。
そしていざ外に出る段になって、さっきまであったはずの帽子がなくなっていることに気づく。
えっ…………(差し迫る死の予感)(過剰表現ではない)(肌に刺さる直射日光)
えっ待って待ってこんな短時間で失くす???? バス停から観光案内所まで1分ないし、観光案内所と食事処は繋がってるし……バスだ…………。(フラグ回収)(記事跨ぎで回収するな)
とりあえずバス会社に問い合わせをし、ちゃんと失くさず帽子をかぶっている優しい友人に日傘を借り、灼熱の屋外へ。持つべきものは友人だなぁ。
明日明後日どうしようね……と頭の中はだいぶぐるぐるしていたが、この町で返ってこない落とし物はないというスタッフさんの言葉を信じることにして宿へ向かう。
今回の宿は町のはずれ(という表現が適切なのかはわからないが)にあって、観光案内所からは徒歩で20分くらい。ちょっと悩んだんだけど、バスを待つにも長い時間だったので、なにがあるかを確かめがてら、歩いて移動。
途中人のよさそうな若い駐在さんに話しかけられるイベントなども発生し、いよいよ現実とフィクションの境目がわからなくなってくる。なんらかの物語で見たやつ!(具体的には思い出せない)
今更だけど、伊根町はいわゆる「観光地」ではなくて、地元の人が日常生活を送る土地である。画になる景色は多いけど、他人様のご自宅であり職場であるので、どれくらい足を踏み入れるか、写真に収めるか、収めたとてそれを公開するかは、各々の判断が求められる。必然目に焼き付ける機会のほうが多くなる。(あと単純に暑くて止まってられないことろもある)
ちなみに前の記事でも書いたが、コンビニもスーパーもない。個人商店が数店あるのみだ。ATMもそう簡単にはない。(だいぶ歩いて郵便局まで行ったらある) そもそも飲食店含め、「店」が数えるほどしかないし、現金しか使えないところが多いので気をつけよう。
なお、個人商店さんは、それぞれちょっとしたお菓子(ポテチとか)インスタント食品とか日用品(洗剤とか)文具とか(ペンとかノートの類)が並んでいて、懐かしい感じ。昔地元にあったなぁこんなお店。価格は通常の1.5倍くらいで、流通の少なさを実感する。
あくまで生活圏にお邪魔している異邦人の気持ちで、とろとろ歩いて宿に到着。
今回は舟屋民宿潮音さんにお世話になりました。前回記事の通り、舟屋を改装した建物で、そりゃもうテンション上がる上がる。なによりエアコンサイコー!!
まあしかしここまで来れば、エアコンがなくても、日陰で風があればそれなりに涼しいのであった。というわけで改めて1階に行ってみる。
ありがたいことに椅子まで置いてあるので、いくらでも海を眺めていられるし、心得がある人は釣りもできる。この写真の手前には魚を下ろすための調理台もあるし、実はガラス扉もあって、その内側にも簡易テーブルとイスとエアコンがある。至れり尽くせり。
ちなみに舟屋というのは元々あくまで舟置き場兼仕事場、あるいは物置として使って、生活の場としての母屋は別途建っている、というものだそう。今はそういうところを改装してお店や宿になっていたりするんだね。
性質上、棟貸しが非常に多く、1人で泊まるのはなかなかハードルが高いというか、勿体ない気持ちがしてしまって友人を誘ったんだけれども、いや~~~なんだろう、旅館やホテルとも少し違う非日常感というか、非現実感があるね。
中心地から少し離れた場所というのも、それに拍車をかけている感じ。
しっかりご飯がついてくるお宿や、インテリアにこだわりがあるお宿などなど、他にも気になる、泊まりたい場所はいろいろあったのだけれども、今回「なんにもしない」をするために来る場所としては、よい選択だったと思う。
そしてこの宿、伊根湾めぐり遊覧船乗り場のほぼ隣に位置している。さらに我々はその遊覧船のチケットを既に手に入れているのであった。(前回参照)
というわけで当日2度目の舟遊びだよ!
16:30の最終便に駆け込んで乗船。平日だったこともあって、我々以外は一組のご夫婦(推定)しかおらず、ほぼ貸し切りだった。時間としては夕刻だけど、7月の日没まではまだまだ遠く、世界はまだまだどこまでも青い。
いいかげん似たような写真ばっかりで見飽きられているだろうけれども、全カットするのもなんだしな……という惰性の気持ちで貼る。写真にすると見飽きるけれども、実際の景色は見飽きない。
例によってろくな写真はない。なぜなら私がどうせ技術のない写真を撮るより見てたほうがいいやと思ってシャッターを切らなかったからである。結局家に帰ってから後悔しているが、旅とはまあそんなものである。なんにしたって空も海も青く、夏であった。
なお、舟屋群を正面の角度から間近で見ようとすると、舟で見るより方法がない。手っ取り早いのが遊覧船で、もっと近づきたいなら海上タクシーを使う方法があるようだ。
今回は使いそびれちゃったけど、次があるなら乗ってみたいな。
これは翌日の遊覧船の様子を友人が撮影してくれていた図。プロ? できる友人を持つとありがたいなぁ! 週末は人もカモメもにぎわっている。(カモメはいつでもにぎわっている)
そうそう、遊覧船乗り場には売店があって、プリンとか、揚げ物とか、そういうちょっとした飲食物を売っている。町内ではかなり貴重な存在だ。
あと表に自販機があって、定価でポカリ買えたのが本当にありがたかった。翌日どうなるかわからなかったから、夜の分も鑑みて3本くらい買って帰った。学習。備え大事。
お昼が遅かったし多かったこともあって、この日の夕飯はお見送り。というか、伊根はほとんどの飲食店が17時には閉まってしまって、それ以降に食事をしようと思ったら、あらかじめ予約するよりほかにない。
この日は予約せずに入れるお店に行こうと思っていたら、なんとその店が7月から昼食のみの営業になっていたのであった。(そしてそれを前日の夜に知った)
起きててひもじくなると嫌だし疲れたし明日のために早く寝ようね~とか言って、結局星を見るために0時過ぎまで起きてた。ちゃんと星を見上げたのなんていつぶりかわからなくて、だけどちゃんと形のわかる星座がいくつもあって、なんだかちょっと安心した。さそり座がすごく明るかった。
ようやくいろんなものが抜け落ちて、なにもしない、に近づけているような気がした夜だった。